
2017年5月26日のロイターの記事でアイコスは紙タバコより有害物質を含む的な記事が掲載され話題になっていました。
記事→【悲報】IQOSは紙巻タバコより「高濃度発がん性物質」を含んでいることが判明! 科学者「副流煙も有害」「使用制限を」
アイコスを販売しているフィリップモリスでは紙タバコの有害物質を90%カットしたとうたって販売しているアイコスですから、もし本当に有害物質が多く含まれているなら致命的です。ということで、元記事(英語のロイターサイト)を調べてみたので記事にします。
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元記事をしっかり読んでみる
最初に紹介した記事はロイターの元記事を読んで作成された記事なので、元となったロイターの記事を調べてみます。ちなみに元記事はこちら(すべて英語です)。
記事の中で有害物質に関わる箇所を翻訳して引用しますね。
発熱のないタバコはまた、一酸化炭素、揮発性有機化合物(VOCs)、多環式芳香族炭化水素(PAHs)などがんに関連する化学物質を放出した。
研究チームは、スイスのベルン大学(University of Bern University)の主任研究者、レト・アウアー(Reo Auer)博士は次のように述べています。「熱がかかっていないタバコは、従来のタバコよりはるかに高い濃度でこれらの化学物質を放出しました。
アウアーらは、化学物質が放出された化学物質に比べて熱がかかっていないタバコを従来のタバコと比較して、ラッキーストライクブルーライトと新しい代替タバコ機器の煙を、従来のタバコや電子タバコの煙を捕まえるために開発した喫煙装置を用いて分析した。
「IQOSの煙には有害化学物質が含まれていましたが、濃度は平均して低くなっています」とAuer氏は述べています。 「IQOSがユーザーや傍観者にとってより安全であるかどうかを調べるために、より多くの調査を行う必要があります。
簡単に要約しますと、
- アイコスとラッキーストライクブルーライトを比較
- 独自に開発した喫煙装置を使用
- アイコスには一酸化炭素、揮発性有機化合物(VOCs)、多環式芳香族炭化水素(PAHs)が含まれる
- タバコより高い濃度で化学物質を放出した
- IQOSの煙には有害化学物質が含まれているが濃度は平均して低い
こんな感じになるのですが、お気づきの方もいらっしゃいますよね?この項目の4番目と5番目に矛盾があります。
記事の途中で「アイコスは紙タバコより高い濃度で化学物質を放出した」と書いてありながら、最後には「アイコスはタバコより有害物質が平均して引くい」となっています。
これは、有害物質はアイコスの方がタバコより少ないが、その中のいくつかの種類においてはアイコスの方が多いものもあるという認識になるのだと思います。日本で出回った記事にはこの点について切り取られていますね。
検出された有害物質について
一酸化炭素、揮発性有機化合物(VOCs)、多環式芳香族炭化水素(PAHs)などの発がん性の物質が検出されたとあります。調べてみたら、この物質のすべてが紙タバコに含まれる物質です。
- 一酸化炭素…炭素化合物を燃やした際に発生する
- 揮発性有機化合物(VOCs)…タールに含まれる
- 多環式芳香族炭化水素(PAHs)…タールに含まれる
ここでも矛盾があるのですが、一酸化炭素もタールも燃やした時に発生する物質です。一般的に考えるとこの物質に関してはアイコスの方が圧倒的に少なくなるはずです。
一酸化炭素
使用したアイコスのヒートスティックを見ると、焦げがついています。なのである程度の一酸化炭素を含まれることが考えられます。それでも一酸化炭素は燃やすことで発生する物質なので、理論上紙タバコより多いことは考えられないです。また、個人ですが、アイコスの一酸化炭素を計測した記事がありますので、見てみてください。この記事では圧倒的にアイコスの一酸化炭素が少ない結果になりました。
揮発性有機化合物(VOCs)、多環式芳香族炭化水素(PAHs)
この物質はタールに含まれる物質で、もちろんアイコスだけでなく紙タバコにも含まれるようです。しかし、アイコスはタールが少ないはず、この物質に関しても紙タバコより少ないのではないかと想定されます。
公式ホームページでは、通常のタバコの先端温度が800度に対して、アイコスの内部の温度は350度になっておりこの温度差がアイコスの有害物質を削減した理由となっております。350度ではほとんどのタールが発生しないため有害物質を9割削減できたとのこと。
そもそも、有害物質を削減したとは言ってますが、無くしたとは言ってないので少量のタールも含まれて当然なのかもしれませんね。アイコスを吸っている人は分かると思いますが、アイコスは吸っても吸ってもフィルターは茶色にはなりませんよね?タバコは茶色になりますが、それだけタール(いわゆるヤニ)を削減しているってことじゃないですかね。
結論
アイコスにはもちろん有害物質が含まれます。もともとタバコに含まれる有害物質は数千種類と言われています。アイコスに含まれる有害物質のいくつかが、紙タバコより多く含まれることも十分にあり得ますが、元記事でもあるように「有害物質は平均して低い」というのは事実です。
アイコスとはいえ有害物質は含まれるので、吸ってる人も分かったうえで吸えばよいと思います。
日本では出回った記事についてはちょっと盛りすぎな感もあります(笑)